こんにちは、けんしんです。

 今回はちょっと浮気して心臓エコーの分野からです。私は基本は腹部エコーをメインとしていますが
たまに心臓エコーなど他の分野も検査をしているので今回の記事は腹部エコーもしてるし心臓エコーもしている人にもも読んでもらえると嬉しいです。

ASとは?

 ASとは大動脈狭窄症の事で、大動脈弁の開口部が狭くなり、左心室から大動脈への血流が妨害されている状態の事です。

 狭くなった弁の開口部から大動脈へ血液を送り出すときに左心室にかかる負担が大きくなるため、左心室の壁が厚くなります。

 壁が肥厚した場合、心筋はより多くの血液を必要とます。

 しかし栄養血管である冠動脈の血液が不足し、胸の圧迫感や失神が起こり、突然死に至るケースもあります。

 ASの診断は聴診器で確認される収縮期雑音とその後、精査として心エコー検査が行われての診断となります。

 ですのでASの診断には超音波検査が重要となります。

 それでもやはり検査していると
  • ASの評価の程度を迷っている
  • このASは許容範囲?中等度なの?重度なの?
  • ASの評価が施設によってバラつく、技師間によってもバラつく
などといった悩みはあるのではないですか?

 しかし、超音波検査検査技術を読んでいたらASの評価の基準みたいなものが掲載されていたのでそれをまとめてみました。

ASの評価

 以下の図がASの評価を統一できる基準です。施設毎に見ていただければと思います。
IMG_20200309_073653

 大動脈弁を短軸で見た時にそれぞれの弁の開放具合に点数をつけていくというものです。
  • 開放制限なし(ラインの外側)→0ポイント
  • 軽度開放制限(ラインの外側に開放しない部分あり)→1ポイント
  • 重度開放制限(弁の動きがほとんどない)→2ポイント
 この点数の基準をNCC、RCC、LCCのそれぞれの弁に当てはめて合計をします。

 その合計が
  • 2ポイント以下だと正常範囲
  • 3ポイントだと中等度AS
  • 4ポイント以上だと高度AS
 と判断します。

まとめ

 以上の方法を取り入れていけばASの評価に迷うこともなく、施設間や技師間の評価のバラツキも減っていくのではないかと思います。

 また、ポイント制にする事で患者さんのフォローにも役に立つのではないでしょうか?

 モザイクエコーの流速測定とコンボにして評価したらより制度が高い検査になるのではないかなと個人的に思っています。

~自己紹介~

超音波検査士けんしん
 平成元年生まれのゆとり世代の臨床検査技師。
 趣味は陸上短距離、読書、温泉、特撮(特に平成仮面ライダー)。

 仕事では超音波検査したり検体検査したり労働組合したりしています。

 2018年に2回の受験を経て超音波検査士認定試験(消化器)に合格。2度受験した経験から、知識を覚えるための勉強や症例レポートの作成には仕事をしながらだと時間が作れなくてかなり苦労しました。

 そういった経験からこれから超音波検査を勉強したり超音波検査士を受験したりする人が労力や時間をかけずに勉強できるようにと考え、自分が勉強した際のノートや問題、受験の際に提出した超音波検査実績、最近気になるトピックを公開しています。

 超音波検査ができる人が増えたり、超音波検査士取得を目指す人同士がつながれるブログになればいいなと考えています。
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