こんにちは、けんしんです!
平成元年生まれのゆとり世代の臨床検査技師。
趣味は陸上短距離、読書、温泉、特撮(特に平成仮面ライダー)。
仕事では超音波検査したり検体検査したり労働組合したりしています。
2018年に2回の受験を経て超音波検査士認定試験(消化器)に合格。2度受験した経験から、知識を覚えるための勉強や症例レポートの作成には仕事をしながらだと時間が作れなくてかなり苦労しました。
そういった経験からこれから超音波検査を勉強したり超音波検査士を受験したりする人が労力や時間をかけずに勉強できるようにと考え、自分が勉強した際のノートや問題、受験の際に提出した超音波検査実績、最近気になるトピックを公開しています。
超音波検査ができる人が増えたり、超音波検査士取得を目指す人同士がつながれるブログになればいいなと考えています。
今回はアーチファクトについて解説していこうと思います。
超音波検査をする上でやはり見にくくなる障害がアーチファクトなのではないかと思います。
しかし、アーチファクトが発生する原因や対策を知っているのと知っていないのでは、描出される画像がかなり違ってきます。
肝臓の主な3つのアーチファクトとは?
①肝表面の多重反射
超音波が腹壁の間を何度も反射して起こる現象で反射体同士の距離の整数倍の間隔で線を生じます。
対策としては反射をうまくなくしてあげればいいのでプローブの角度の調整したり、STCの調整をして腹壁の部分の反射を取らないようにするのも手です。
②肋骨の音響陰影
骨は基本的に超音波ビームを通さないので骨の後ろは見ることができません。
対策としては呼吸指示による移動で肝臓を動かしてあげるか、肋間走査で肝臓を覗き込むようにするかになります。
③横隔膜による鏡面現象
超音波ビームが横隔膜で反射して、腫瘍などの構造物でまた反射して同じ経路で戻ってくることで、肺に何か構造物があるかのように見える現象です。
対策としては横隔膜に反射する角度を変える事で反射しなくなるのでプローブを動かす事で除去できます。
番外編 キライディディ症候群による腸管ガス
Chilaiditi(キライディディ)症候群は日本語で肝横隔膜間結腸嵌入症と言われ、結腸が肝臓の前側に位置している状態です。
これでは腸管ガスが邪魔して肝臓など上腹部臓器が全く見えない状態ですのでエコーでできる事としたら見える所での観察です。
あとはCTやMRIなどで精査をしてもらうしかない症例です。
胆嚢のアーチファクトは何がある?
胆嚢には主に3つのアーチファクトがありますので紹介していきます。
①胆嚢底部の多重反射
超音波が腹壁などの間を何度も反射して起こる現象で反射体同士の距離の整数倍の間隔で線を生じます。
対策としては反射をうまくなくしてあげればいいのでプローブの角度の調整したり、STCの調整をして腹壁の部分の反射を取らないようにするのが対策になります。
②結石による音響陰影
胆嚢結石の特徴的な所見になり、結石は基本的に超音波ビームを通さないので結石背面の後ろは見ることができません。そのため結石背面の見落としにつながるアーチファクトです。
対策としては体位変換で結石を動かしてあげて見てあげるのが一番ですね。
③十二指腸による虚像
3つ目は十二指腸による虚像です。
十二指腸による虚像は2つありまして、十二指腸内のガスによるサイドローブとビーム幅の虚像です。
十二指腸内のガスによるサイドローブは十二指腸内のガスをサイドローブとして拾われて、虚像として胆嚢頸部に映し出され、胆嚢を見にくくする現象です。
ビーム幅の虚像は胆嚢と一緒に十二指腸の一部がプローブが発する同じビーム幅に入ると、まるで胆嚢内部に病変があるように映し出される現象です。
対策としては一方向だけではなく多方向からの観察が大事です。呼吸や体位変換、走査部位を変えるなど意識し、丁寧に観察しましょう。
胆管の主な2つのアーチファクトとは?
①胆管内ガスによる多重反射
超音波が腹壁などの間を何度も反射して起こる現象。
反射体同士の距離の整数倍の間隔で線を生じる。
反射体同士の距離の整数倍の間隔で線を生じる。
どんな影響が?
ガスの背面は多重反射で描出不良となり、胆管内の観察は困難に。
ガスの背面は多重反射で描出不良となり、胆管内の観察は困難に。
対策:体位変換でガスを移動させてあげる。
②ビーム幅のアーチファクト
対策としては一方向だけではなく多方向からの観察が大事です。呼吸や体位変換、走査部位を変えるなど意識し、丁寧に観察しましょう。
膵臓のアーチファクトは何がある?
痩せた体型でみられる多重反射
超音波が腹壁などの間を何度も反射して起こる現象で反射体同士の距離の整数倍の間隔で線を生じます。
痩せた体型の人は腹壁が薄いので多重反射の影響は受けやすいです。主膵管と見間違える事もよくあります。
対策:体位変換を活用!半座位などの体制を利用して多重反射の影響を受けないようにします。
~自己紹介~
超音波検査士けんしん平成元年生まれのゆとり世代の臨床検査技師。
趣味は陸上短距離、読書、温泉、特撮(特に平成仮面ライダー)。
仕事では超音波検査したり検体検査したり労働組合したりしています。
2018年に2回の受験を経て超音波検査士認定試験(消化器)に合格。2度受験した経験から、知識を覚えるための勉強や症例レポートの作成には仕事をしながらだと時間が作れなくてかなり苦労しました。
そういった経験からこれから超音波検査を勉強したり超音波検査士を受験したりする人が労力や時間をかけずに勉強できるようにと考え、自分が勉強した際のノートや問題、受験の際に提出した超音波検査実績、最近気になるトピックを公開しています。
超音波検査ができる人が増えたり、超音波検査士取得を目指す人同士がつながれるブログになればいいなと考えています。
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