観察の条件
①仰臥位で心窩部アプローチ②手を胸に、軽く膝立⇒腹圧を弱くして圧迫しやすくするため
✳遠位部や腎臓の評価は側臥位、半座位でもオッケー
③6時間以上の絶食
機器の設定
①プローブは3.5MHz~5.0MHzのコンベックス②DR(ダイナミックレンジ)は55
③FR(フレームレート)は20
④流速レンジ(ドプラ時)
腎動脈 30~50cm/s
腎血流 10~20cm/s
✳モザイク血流の場合ははみ出るので高く調整する。
腎動脈の観察のポイント
①tilting scan ⇒心窩部からの扇状走査②左右とも起始部に複数本の腎動脈の存在に注意。
③カラードプラと活用
狭窄⇒乱流シグナル
閉塞⇒シグナル途絶
④動脈瘤・動脈解離・動静脈シャント・腎梗塞の有無
動脈解離
大動脈解離に合併
フラップ(内膜と中膜の一部)による二腔構造
動静脈シャント
カラードプラでCEC内のモザイク血流
PI、RIは低下する
腎梗塞
カラーシグナルの欠損
流速レンジを下げて他方向から観察
腎動脈の計測のポイント
①腎動脈の血流波形PSV:最高収縮期血流速度
EDV:拡張期末血流速度
・計測部位は起始部または狭窄部
・入射角は60°未満
・基準値はPSV 100cm/s前後
・腎動脈狭窄
PSV 180cm/s↑(狭窄率50%以上)
300cm/s↑(狭窄率60%以上)
EDV 90cm/s↑
・ステント再狭窄 PSV 220cm/s↑
・評価は3心拍以上で行う。
・心房細動の場合は数心拍の平均値
②大動脈の血流波形
計測部位は腎動脈近傍
RAR(renal aortic ratio)を計測する
RAR =RA-PSV /Ao-PSV
基準値は3.5未満
腎動脈狭窄は3.5以上
③瘤の有無
瘤径1.5cm ⇒破裂のキケン
瘤径2.5cm ⇒手術適応
他、拡大傾向ないか、石灰化ないか?
④腎葉間動脈の血流波形
・PSV 30cm/s未満が基準
・AT(加速時間)
通常は70msec未満
中枢の狭窄は100msec 以上
・ESP(早期収縮期ピーク波)
通常は存在する
中枢の狭窄は消失する
⑤腎長径のサイズ
100mmが平均サイズ
左右差はないか?
番外編:腎移植後の評価
~自己紹介~
超音波検査士けんしん平成元年生まれのゆとり世代の臨床検査技師。
趣味は陸上短距離、読書、温泉、特撮(特に平成仮面ライダー)。
仕事では超音波検査したり検体検査したり労働組合したりしています。
2018年に2回の受験を経て超音波検査士認定試験(消化器)に合格。2度受験した経験から、知識を覚えるための勉強や症例レポートの作成には仕事をしながらだと時間が作れなくてかなり苦労しました。
そういった経験からこれから超音波検査を勉強したり超音波検査士を受験したりする人が労力や時間をかけずに勉強できるようにと考え、自分が勉強した際のノートや問題、受験の際に提出した超音波検査実績、最近気になるトピックを公開しています。
超音波検査ができる人が増えたり、超音波検査士取得を目指す人同士がつながれるブログになればいいなと考えています。
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