【心エコー初心者向け】GLS(Global Longitudinal Strain)の基本|EFでは見逃す心機能低下を見つける指標
「EFは正常なのに、本当に心機能は大丈夫?」
そんな疑問に答えてくれるのがGLS(Global Longitudinal Strain)です。
近年では心筋症・心アミロイドーシス・化学療法関連心筋障害などで重要な指標として注目されています。
この記事では、超音波検査士試験や国家試験、日常の心エコー検査で役立つGLSの基本をわかりやすく解説します。
30秒まとめ
- ✅ GLS=心筋が縦方向にどれだけ縮んだかを数値化した指標
- ✅ EFが正常でも早期の心筋障害を検出できる
- ✅ 正常値は約−18〜−22%
- ✅ 数値が0%に近づくほど心機能は低下している
チェック問題
Q. GLSが−20%から−12%へ変化しました。この変化が示すものはどれでしょう?
- 心機能が改善した
- 心機能が低下した
- 左室肥大が改善した
- 正常範囲内の変化である
GLSは「よりマイナスが大きいほど正常」です。
−20%から−12%へ変化した場合は、心筋の収縮力が低下していることを示唆します。
GLS(Global Longitudinal Strain)とは?
GLS(Global Longitudinal Strain)は、左室心筋が長軸方向にどれだけ収縮したかを割合(%)で表した指標です。
Speckle Tracking Echocardiography(STE)という解析技術を利用して測定されます。
EF(左室駆出率)よりも早期に心筋障害を検出できるため、現在では心エコー検査で非常に重要な評価項目となっています。
なぜGLSはマイナスになるの?
心筋は収縮すると短くなります。
例えば、
- 拡張時:10 cm
- 収縮時:8 cm
ストレインは
(8−10) ÷ 10 ×100 = −20%
となります。
| GLS値 | 意味 |
|---|---|
| −20% | 正常に収縮している |
| −15% | やや収縮低下 |
| −10% | 明らかな収縮低下 |
マイナスが大きいほど元気な心臓!
GLSの正常値
一般的な正常値は
約 −18〜−22%
とされています。
| GLS値 | 評価 |
|---|---|
| 約−20% | 正常 |
| −16〜−18% | 軽度低下 |
| −15%以下 | 明らかな低下 |
※装置や解析ソフトによって基準値は多少異なります。
GLSが重要な理由
EFは正常でも、心筋障害の初期にはGLSだけが低下することがあります。
そのため以下の疾患ではGLS評価が非常に重要です。
- 心アミロイドーシス
- 肥大型心筋症(HCM)
- 拡張型心筋症(DCM)
- 高血圧性心疾患
- 化学療法関連心筋障害(CTRCD)
EFが保たれていてもGLSが低下している場合は、潜在的な心筋障害を疑います。
国家試験・超音波検査士試験対策
試験では次の3点を押さえましょう。
- GLSは左室長軸方向の収縮能を評価する
- 正常値は約−20%
- 0%に近づくほど心機能は低下する
「EF正常でもGLSは低下する」
覚え方
覚えるのはこの一文だけ!
GLSは「マイナスが大きいほど元気な心臓」
まとめ
GLSは、EFだけでは見逃される早期心筋障害を発見するための重要な指標です。
特に心アミロイドーシス・肥大型心筋症・化学療法関連心筋障害では診断や経過観察に欠かせません。
心エコーでは「EFだけを見る」のではなく、「EF+GLS」をセットで評価する習慣を身につけましょう。
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